2009年01月27日

おすすめ青春ミステリー「サクリファイス」近藤 史恵 (著)

ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。

勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。
初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。
それは、単なる事故のはずだった――。

二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動・・・・・。
青春ミステリの逸品。


「ミステリー」だとか「サスペンス」を期待して読むのは間違いだろう。
これはいわゆる殺人や犯人探しの物語ではないから。

しかし、そんなことは面白さとは関係ない。
これは「サイクルロードレース」という、日本人にはまだ馴染みの薄いスポーツに人生をかけていこうとする若者の物語。
ロードレースならではのルール、組織、葛藤、問題をこれほど見事に盛り込んだ「小説」が日本でやっと生まれた、記念すべき作品ではなかろうか。

主人公は自転車ロードレースのプロチームに所属する「アシスト」。
アシストとは、リーダーたる一人の選手の為に走る、支える存在。
でも、彼らがいるからこそ、リーダーは勝利への責任を負っているのだ。

「サクリファイス(犠牲)」とは、はたして何なのか、そして誰なのか。
最後まで気をゆるませない展開と、可能性に満ちたラストシーンに、読後は知らずに涙していた。


▼楽天

サクリファイス




▼アマゾン

サクリファイス





おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト



posted by ホーライ at 05:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月26日

おすすめミステリー「楽園」宮部 みゆき (著)

「模倣犯」事件から9年が経った。
事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、荻谷敏子という女性が現れる。
12歳で死んだ息子に関する、不思議な依頼だった。
少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、それを絵に描いていたという―。


既におきている犯罪の理由を追いかけていくことが物語の中心になります。
実の娘を殺し、家の下に埋め、時効成立後に自白をした父と母の、理由。
ひとつひとつ事実がつながっていき、明らかになる真相。
それはどんどん薄暗い道に入り込んでいくような、やりきれない物語です。
いい結末はないと知りながらも、とても途中でやめることはできないのです。


▼楽天

楽園(上)




▼アマゾン

楽園〈上〉





おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト

posted by ホーライ at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おすすめミステリー「模倣犯」宮部 みゆき (著)

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。
比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。
そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。
が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。

死んだ男の正体は?
少年と老人が辿り着いた意外な結末とは?
宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。


涙あり、恐怖あり、感動あり・・・・
上下巻合わせて1400ページの超・長編でしたが、退屈せずに読めました。
ホラー・サスペンス好きの私としては第二部の栗橋宏美の犯行や心の動きを描写する下りが強烈でしたが、それ以外にも有馬氏を初めとする被害者の遺族の叫びや、友人思いのカズの行動は、目から出る涙を抑えられませんでした。

本の帯に「忘れられない本になる」とコピーがありましたが、まさに忘れられない一冊です。


▼楽天

模倣犯(上)




▼アマゾン

模倣犯〈上〉





おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト


posted by ホーライ at 19:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おすすめミステリー「インシテミル」米澤 穂信 (著)

バイト雑誌を立ち読みしていたビンボー大学生・結城は、ひとりの少女から声をかけられて……。
この夏、鮮烈なミステリーがはじまる。


時給1120百円=11万2千円という、求人広告。
怪しいがお金が欲しい等、それぞれ思惑をもった12人が集まった。

仕事の内容は、12人の「暗鬼館」での7日間を、一日中観察されるという仕事。
館の中には、鍵のかからない12の客室・娯楽室等の他に、監獄・霊安室といった部屋があり。
12の客室には、それぞれ1つずつ、殺傷能力を備えた凶器が置かれている。

館の観察者は、何をさせたいのか?
そう、皆が思っているところに、館の主からの放送がはいる。

まさに、クローズドサークルの本格推理小説です。
私が読んだここ数年間で発売されたクローズドサークルものの中では、最高の作品だと思います。
綾辻行人の館シリーズが好きな方には、 間違いなくおすすめの作品。
本当におすすめできますので是非皆さんも、読んでみてください。


▼楽天

インシテミル





▼アマゾン

インシテミル




おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト

posted by ホーライ at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おすすめホラーミステリー「首無の如き祟るもの」三津田 信三 (著)

奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。
二十三歳になった当主の長男・長寿郎が、三人の花嫁候補のなかからひとりを選ぶ儀式である。
その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。
犯人は現場から消えた長寿郎なのか?
しかし逃げた形跡はどこにも見つからない。

一族の跡目争いもからんで混乱が続くなか、そこへ第二、第三の犠牲者が、いずれも首無し死体で見つかる。

古く伝わる淡首様の祟りなのか、それとも十年前に井戸に打ち棄てられて死んでいた長寿郎の双子の妹の怨念なのか―。

もう、出だしからして完璧に構築されたこの世界観にノックアウトされてしまった。
土着的な民間伝承と旧家をめぐる因習と因縁。
まさしく横溝正史のあのオドロオドロしい世界を再現したかのような舞台設定がミステリマインドを激しく揺さぶる作品で、本格物としての完成度もかなりのハイレベルだ。

本書の謎の素晴らしいところは、動機がまったくわからないところにある。

久しぶりにミステリでのカタストロフィを味わった。
ましてや二転三転するどんでん返しとくれば、これはもうお手上げというしかないではないか。

ここで驚かない人はいないだろう。

▼楽天

首無の如き祟るもの





▼アマゾン

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)






おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト


posted by ホーライ at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。