2009年02月12日

おすすめ本格ミステリー『女王国の城』有栖川有栖(著)

2008年 第8回本格ミステリ大賞受賞作品。

著者の名前、有栖川有栖は「ありすがわ ありす」と読む。(主人公の名前でもある。)


舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。
大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。

室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。
様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。

“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。
外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し…。

江神シリーズ待望の書き下ろし第四長編。


ファンの誰もが待ちわびた、実に15年ぶりの江神二郎(もしくは学生アリス)シリーズ最新刊である。

その間に世の中は平成となり、21世紀となったが、彼らはまだバブル華やかなりし頃にいる。
今回の舞台はそのバブルを背景に作られた、宇宙人をあがめる新興宗教の本拠地である「城」と「城下町」という、特殊な閉ざされた環境下にある山間の街である。

宇宙人だの新興宗教だのが出てくるというとひく人もいるだろうが、あくまでも物語の道具立てとしてであって(おそらく作者はこれらに懐疑的な人と思われるし)、メインはそこで起こった殺人事件と、警察に通報できず「城」に閉じ込められてしまったEMCの面々の推理と冒険(?)である。
奇をてらったわけではなく、実にストレートな本格ミステリだと思う。「読者への挑戦」も健在である。

500ページにも渡る長さだが筆の運びはやはりうまい。一気に読んでしまった。

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posted by ホーライ at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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