おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『新世界より』貴志祐介(著)だ。
2009年「このミステリーがすごい」第5位
ここは汚れなき理想郷のはずだった。
1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。
一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは――。
何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!
待たされた甲斐がありました。
本作は貴志祐介の最高傑作であるだけでなく、日本SF史上に残る怪作です。
酷評された『硝子のハンマー』以降、長期にわたり新作の音沙汰がなかったので、作家としてのピークを過ぎてしまったのかと残念に思っていたのですが、杞憂でした。
『黒い家』、『クリムゾンの迷宮』、『天使の囀り』の頃のパワフルな貴志祐介が完全復活です。
読み始めた当初は、「少年少女が主人公」、「中世日本の長閑な農村風景」、「呪力」、「色々な架空の生物」といった設定から、トトロのようなファンタジックな話なのかと思い、「あー、貴志祐介またやっちゃったか」と期待外れを覚悟しました。
しかし、世界観をある程度構築する序盤が終わるあたりで、世界の真の姿が明らかになり、以降は怒濤の貴志ワールドが全開フルスロットルです。
『青の炎』のやりきれない哀しさ、『黒い家』で描かれた人間の狂気、そして『天使の囀り』や『クリムゾンの迷宮』の残虐表現がすべて詰め込まれたような物語で、読んでいる最中の気分の悪さは格別です。
展開が強引だったり、ご都合主義だったりする箇所は多々ありますが、物語の勢いがそれらを補って余りあります。
なお、そうした物語としての勢いもさることながら、緻密な世界観を構築したうえで、数多くの謎や前振りの大半を破綻なく活かし、まとめあげている手腕にも舌を巻きます。
ただし、SFという性格上、架空の生物、技術、競技などが数多く登場するため、多くの場面で相当な想像力を要求されるのも、また事実です。
そのため、SFやファンタジーを読み慣れていない方は、語られているシーンをリアルに想像できず、本作をとんでもない駄作と感じるかもしれません。
私としては、本作は貴志祐介の最高傑作だと感じていますが、過去作品以上に読み手を選ぶという点で、評価は賛否が大きく分かれるでしょう。
遥か未来、呪力と呼ばれる力をもった子供達の話で、言葉を喋るネズミがでてきたりと、表層はファンタジーだが、読み進めて行くうちに感じとるのは、サイコホラーである。
アキラ・・・・・・私は、このイメージかしっくりた。
アキラというのは、アニメのアキラである。
未知なる力を手に入れ、やがて体も人格も力に呑み込まれてしまう小学生時にアキラを見て、ワクワクするような凄さと、気味の悪さを感じにはいられない話の流れ、それと同じものを、この本から感じた。
読み手を選ぶかもしれないが、私は話にすっかり引き込まれ、ページをめくる手がとまらなかった。
日本ファンタジー小説の金字塔だ。
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ラベル:2009年ベストミステリー年 貴志祐介