2010年12月29日

★2009年「このミステリーがすごい」第7位:『黒百合』多島斗志之(著)

多島斗志之おすすめミステリー小説、お奨めの多島斗志之のミステリー小説。多島斗志之の名作ミステリーの面白い作品。

おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『黒百合』多島斗志之(著)だ。


2009年「このミステリーがすごい」第7位。

「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第8位


「六甲山に小さな別荘があるんだ。下の街とは気温が八度も違うから涼しく過ごせるよ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。一彦という名前だ」父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。

夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死―一九五二年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。


進・一彦・香の3人が過ごす戦後の避暑地での青春物語の部分、ここの描写力がすぐれているので、作品全体の質を上げているのでしょう。

銀幕のスターたちの出ていた古い秀作の邦画のような雰囲気です。

香のおばさま日登美や、六甲の女王、小芝翁…などなど、脇役たちの人物像も、時代と上流階級の人々の雰囲気を良く伝えてくれます。

この序章の部分だけでも作品が成り立つぐらい上質なものだと思います。

ドイツで出会った謎の女性は誰?と思いながら読み進め、殺人事件の犯人は…とミステリー部分では謎を持たせ、全くもって巧いです。

昭和27年の部分は、夏休みの宿題の日記をつける進の目線で描かれるので、少年らしいたどたどしさもあって、語られない部分を巧くカバーしてミスリードを誘います。


もう一つの殺人事件が起こり、謎が解けないまま、ラストに突中。

え、もうページも少ないし終わっちゃうよ〜、と思ったら実にサラリと描かれる真相。

サプライズです、やられちゃいました。

ミステリーの謎解き、ここが一番の見せ場、そこをサラリと書いて素知らぬ顔して通り過ぎようとする作者。

う〜ん、にくい!



昭和27年、14才の寺元進は、東京からひとり離れて父親の旧友浅木の持つ六甲山の別荘で夏休みを過ごすことになった。

そこには浅木の息子で同い年の一彦がいた。また近所の裕福な家庭の、これもまた同い年の倉沢香とも出会う。

彼らは意気投合して、ハイキング、水泳、スケッチと毎日のように夏の避暑地の日々を過ごす。

やがて進と一彦は香にほのかな恋心を抱くようになる。この小説のほとんどを占めるのはつたない進の日記から始まる甘酸っぱい青春物語の懐古である。

その一方で、進と一彦の父親たちが昭和10年、ナチス政権下のドイツはベルリンで出会った不思議な女性との交流と、昭和16年から20年、戦時下の神戸における鉄道員と女学生の恋と、それが原因で起こる殺人という、ふたつのエピソードが挟み込まれる。


はたしてこれら三つのパートがどう関っているのか。

読者の興味は尽きない。そして時を越えた複雑な人間関係が次第に明らかになり、これまで見えていなかった風景が終盤浮かびあがる時、作者の企みが現れる仕組みになっている。


多島斗志之は、基本的には淡い文芸的な青春恋愛小説を読者に読ませながらも、思いがけないところに伏線を張り巡らせていたり、<六甲の女王>なるミスディレクションに惑わせたりするのである。

本書は超絶的なテクニックに支えられた傑作である。



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posted by ホーライ at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 2009年ベストミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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