★このミステリーがすごい!●第5位「死神の浮力」伊坂 幸太郎 (著)
『死神の精度』で活躍した「千葉」が8年ぶりに帰ってきました!
クールでちょっととぼけた死神を、今度は書き下ろし長編でお楽しみください。
死神にとって普通の返事でも、人間にとっては的外れな答えになってしまう千葉(死神)の反応が笑える。
内容は重いが、洒脱な会話が救いとなっている。
ただ、ここまでのワルが人間として存在するとするのだろうか。
もし存在するのなら、それこそ悪魔的であるとも思う。
死神の精度のショートもいいが、こうした長編もいい。
作者の伊坂幸太郎は、時々突拍子もない実験的作品に挑むことがある作家だけれど、『死神の精度』の続編ということで、ハズレはないだろうなぁと、購入。
予感は的中で、とても面白く読めた。
しかし主人公は死神ということでも分かるけれど、「リアリティのあるエンターテイメント」を楽しみたいと思う人には向きません。
この作家特有のファンタジックで、ちょっぴり偏屈な世界観が好き!という人はとても楽しめると思います。
ラストシーン近くで、それにしても、そんなバカな!というシーンが出てくるのですが、そのシーンを読んだとき「高速道路でふと隣を見ると老婆が同じスピードで走っていて度肝を抜かれる」という怪談を思い出したのは私だけではないはず。
この作品をより楽しむためには、やっぱり前作の『死神の精度』を先に読んでおくことをおすすめします。
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