2011年12月04日

おすすめのミステリー★2011年度ミステリーベスト10(週間文春)●第6位「ユリゴコロ」沼田 まほかる (著)

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。

それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。

そして書いたのは誰なのか。

謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。


圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!



ミステリーは結構読んでいる方だと思いますがこのオチはわからなかったです。

過去の手記と現実の様子が同時に進んでいきますが、とても読みやすく、先が気になって一気読みでした。

沢山の人が死んだり、不幸がてんこ盛りで、後味悪いな〜と思っていたところにふんわりと舞い降りるかのような衝撃のラスト!

お〜最後にこう来たか〜と…なんとも体験したことのない読後感でした。

面白い。

もっと話題になって沢山の人に読んでほしいです。



主人公が父親の部屋の押し入れから見つける4冊のノートの手記が大変面白い。

本書の中の3分の1位がその手記の内容が書かれているが少しづつ小出しにされて、読者を引っ張っていく。

ノートを書いたのは誰なのか、主人公の母親はいったい誰なのか?

物語に引き込まれる。

最後は思わす、涙がこぼれてしまった。


ついつい徹夜で読み切ってしまった。

人間のよどみを描きながらも不思議に明るい読後感がある。

プロの間では評価が高かったが、ついに時代が彼女に追いついたか。



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おすすめのミステリー★2011年度ミステリーベスト10(週間文春)●第5位「絆回廊 新宿鮫X」大沢在昌 (著)

「まったく、新宿って街は妙なところだ。ばらばらに飛び散ったもんが、いつのまにかまた集まってきちまうのだからな」

巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない──。

やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。

その大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。

しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と──。



親子。恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の情。

荒ぶる男が帰還し各々の「絆」が交錯したとき、人びとは走り出す。

累計600万部突破「どの作品から読んでも大丈夫。

ハマる」人気シリーズ第10作。



巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない―。

やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。

すでに初老だがいまだ強烈な存在感を放つというその大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。

しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と―親子。

恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の念。

各々の「絆」が交錯した時、人びとは走り出す。

熱気。波瀾。濃度。疾走感。



久々の新刊なので前作までのストーリーはほとんど覚えてなかったのですが、途中途中に説明があり、だんだん思い出してきました。

恨みのある警官を銃で殺そうとする大男がでてくるところから話が始まるのですが、大男の正体とは?恨みのある警官とは?そして謎の犯罪集団の正体とは?

といった謎が最後まで話をぐいぐい引っ張って飽きません。

最後は読んでて涙ぐんでしまう展開になります。


昔から「新宿鮫」は面白いと聞いていたが、ハードボイルドとかミステリーとか、ジャンルでくくられるものとそれを熱く語る人たちに嫌悪感があったので敬遠していた。

しかし今回は、複数の人間に「とにかく読め!内容は教えられないけど」と同じような表現で進められたので購入。

一気に読了。よくある「感動の物語」が薄らぐ怒濤の感動。

「とにかく読め!」の意味分かりました。どこをどう説明しても、ネタバレになるからなんですね(笑)。

シリーズの主人公は刑事だが今回は「大男を待つ人」でしょう。

その人以外も、脇役たちの人生、心情の描き方が素晴らしい。

…とはいうものの、それらが淡々と描かれるのならただの人情物だが、狂気をはらんだ男が帰還することによって巻き起こる一連の事件の描き方の、なんと不気味なことよ。

そして怒濤の後半に突入、読了し、感情の根本を揺さぶられるような衝撃が走り、しばらく小説から抜け出せなかった。

小難しいことは一切描かれていない。物語も古典的と言っていいほど明快。

だけど深い。それはこの作品が「人間」に正面から向き合っているからだろう。



食わず嫌いを反省。

シリーズ一巻から読みます。遡るのも悪くないでしょう。



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おすすめのミステリー★2011年度ミステリーベスト10(週間文春)●第4位「マスカレード・ホテル」東野圭吾 (著)

待望の新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ

都内で起きた不可解な連続殺人事件。

次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。

殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。

1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。


とても読みやすい作品でした。

人間の恨みって怖いなぁと再認識させられます。


もちろん低評価の人の意見もよく分かりますし、「容疑者Xの献身」や「白夜行」あたりが大好きな人からすれば、かなり物足りないと感じる部分も多々あると思います。

東野圭吾に求められる水準がそれだけ高いからでしょうけど、このレベルの作品をコンスタントに出せる作家さんがどれくらいいるかと考えると、個人的には浮かんできません。


一流ホテルのフロントスタッフで、仲間からも客からも信頼の厚い女性と、一課の刑事でホテルマンに扮し潜入捜査を行うことになった男性が、一つの事件を背景に、最初はいがみ合いつつも互いに認め合っていく。

ホテルで起こる数々の一風変わった事件に、快刀乱麻の如く明快にトラブルを解決していく様は圧巻。

多くの事件を一話完結型のように描き、人間ドラマを濃くしているため、連続ドラマを見ているかのような感覚に陥った。(きっと、ドラマ化されるだろう)

ホテル薀蓄や暗号謎解きも、驚きがあって面白い。

毎度おなじみの読みやすい文体も見事。



超面白タイムリミットサスペンスを、壮麗にして豊饒な人間ドラマに仕上げている名人芸。

理科系出身の作家ならではの緻密な計算に、文系出身者は唖然、茫然。

宿泊客ひとりひとりの仮面=謎を暴いていくことで、巨大な謎=仮面が明らかになる。

作家の芸が光る。


成長してゆく主人公を誰もが応援したくなる。

ドキドキして気になるのは、推理の結末だけではないはず。


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おすすめのミステリー★2011年度ミステリーベスト10(週間文春)●第3位「開かせていただき光栄です」皆川 博子 (著)

開かれたのは、躰、本、謎。

作家生活40年のキャリアを誇る著者の集大成にして新境地! 1


8世紀ロンドン。

増える屍体、暗号、密室、監禁、稀覯本、盲目の判事……解剖医ダニエルとその弟子たちが辿りついた真実とは?

18世紀ロンドン。

外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。

四肢を切断された少年と顔を潰された男性。

増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。

だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……

解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。


18世紀のロンドンを舞台にしたミステリ。

これは、非常に面白い。

特に、18世紀の雰囲気が満載だ。

登場人物たちの言い回しがさすがに18世紀らしくないところは、まあご愛敬かな。


ミステリとしてのレベルは高い。
ストーリーも良い。


本作は、できれば一気に読み終えたいミステリだ。

そして、解剖学黎明期の、医療と化学捜査におけるジレンマなど、本書の読みどころは多い。

登場する若者たちは生き生きとしているし、未来に対する希望や展望を持っている。

題材はけっこうグロいもいのがあるのだが、それを上質に仕上げるという、まさに皆川ワールドである。

表紙がエグいが、中身はそんなことはない。

京極作品なんかより、ずっとすっきりしている。


ユーモアと幻想の巧みなマッチング。

フルカラーの鳥獣戯画だ。


歴史ミステリーとして、本格ミステリーとし、青春ミステリーとして、あらゆる角度から読んで死角なし。

皆川さんと同じ時代に生きていることに感謝。


料理で言えばフルコース。

ベテラン作家による贅沢な物語。

ゆっくり時間をかけて読むのが吉。



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おすすめのミステリー★2011年度ミステリーベスト10(週間文春)●第2位「折れた竜骨」米澤 穂信 (著)

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。

ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。


自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――

そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 


魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?

現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!



「理性と論理は魔術をも打ち破る。必ず。そう信じることだ」(p100)。

魔術が跳梁跋扈する12世紀末欧州での殺人事件を、同じく魔術の心得がある騎士が推理する>という舞台で描かれたのは、魔術を踏み台とした論理と理性の賛歌です。

まず、魔術が絡んだ「何でもあり」に見える謎が急所を突いた簡潔な論理で見事に解かれ、その時読者の脳裏に浮かび上がる画の魅力が素晴らしい。

<二十年に渡り囚われ続けた不死の青年は、いかにして塔の牢獄という密室から脱出したのか?>

<蝋燭に火を灯せば姿を消せる、魔法の燭台を持つ盗賊のアリバイをどう証明する?>

謎は魔術によって怪しく彩られ、その分だけ、解き明かす論理の冴えを引き立てます。



しかしそれにも増して、解かれることで、各人の謎が各人の人間性や背景を鮮やかに語ることがこの作品のより大きな魅力。

例えば、解明と共に明らかになる「いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち」の内、幾人かの意地と屈折と誇りを目にしたとき、読者は彼らを好きにならずにはいられないと思います。

また、(詳細は省きますが)この作品は容疑者が魔術によって「走狗」とされていることにより、ミステリとして、動機を問う「ホワイダニット(Why(had)DoneIt)を綺麗に取り除いている>ことに一つ妙味があるのですが、それによって喪われがちな物語の厚みをこうして補うところに、作者の技の冴えが感じられます。



そんなわけで、この作品は過去の米澤作品と比べてただ舞台設定だけでなく、その積極的な意志のあり方、描き方から見ても新境地であり、過去作品を踏まえるとなお面白く読めもする意欲作だと思います。

一方で、初米澤作品として勧めるにも十分過ぎるほどに楽しいミステリであり、冒険小説でもあり、少女と少年の成長物語でもあります。

『折れた竜骨』、傑作です。



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