この世には探偵小説でしか語れない真実といふものがあるのも、また事実であるんだぜ。
時は昭和12年、満州国は〈宿命城〉の城内に横たわる無数の戦死者たち。
日本から来た一人の探偵小説家が“無意味な死を受け入れるな”と屍に叫喚するとき、地を埋め尽くしていた死人たちは蘇り、すっくと立ち上がる……。
想像力の魔王・山田正紀が、本格ミステリのガジェットを激動の昭和史のために散華した大作。
平成元年、東京。編集者の萩原祐介はビルの屋上から投身、しばらく空中を浮遊してから墜落死した。
昭和13年、満州。奉納オペラ『魔笛』を撮影すべく“宿命城”へ向かう善知鳥良一ら一団は、行く先々で“探偵小説”もどきの奇怪な殺人事件に遭遇する。
そして50年を隔てた時空を祐介の妻・桐子は亡き夫を求めて行き来する…
執筆3年、本格推理のあらゆるガジェットを投入した壮大な構想の全体ミステリ。
600頁を超す大作ですが、とにかく 面白い。
エディターレビューに書かれていますが、昭和13年の満州と平成元年の東京を舞台として、各々の時代で起こる奇々怪々な殺人事件。
50年の時空を往復するヒロイン…。
本格推理小説の面白さに加えてSF がかった味もプラスされて、何とも言えぬ雰囲気を漂わせています。
「探偵小説でしか語れぬ真実もあるんだぜ。」という科白が何とも心憎い。
概略を述べると、読む人の楽しみを奪うことにもなりかねませんので、ただ一言『絶対に面白い。是非読んでみて。』としか言えません。
現在と過去との二重奏 とも言える作品ですが、何とも言えぬ 叙情を感じさせる本です。
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