2009年02月14日

おすすめ名作サスペンス『幻の女』ウイリアム・アイリッシュ (著)

江戸川乱歩も絶賛!!

1964年ウイリアム・アイリッシュの代表作。

1991年度早川書房編の『ミステリー・ハンドブック』の『読者の選ぶ海外ミステリー・ベスト100』において、断トツのトップを獲得している。
さすがは名作で、文章表現が実に映像的。
書き出しの『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、・・・』などは詩的ですらある。


妻を殺された主人公の男が、妻殺しの犯人として逮捕されてしまい、死刑執行までにその男の親友が、主人公に代わって主人公のアリバイを証明できる唯一の証人(幻の女)を捜す話です。

幻の女を巡るダイナミックな追跡劇をはじめ、サスペンスの盛り上げ方が非常に上手い作品です。
今読んでもその面白さはまったく色褪せていません。
タイムリミットの設定、魅惑のキャラクター、二転三転するストーリーと、娯楽作品の王道的展開のなかにも、アイリッシュ独特の文学的リリシズムが都会に生きる男女のほろ苦い人生を浮き彫りにし、物語に奥行きをもたらしています。

男と女の哀愁が深い余韻を残す傑作サスペンスです。



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2009年02月11日

おすすめサスペンス「臨床真理」著者:柚月裕子

第7回(2009年)「このミステリーがすごい!」大賞

「書きたいものを持ち、それを伝えたいという、内なるパトスを感じさせる。醜悪なテーマを正統派のサスペンスに仕立て上げた手腕を、高く評価したい」
茶木則雄(書評家)


「文章、会話、冒頭のつかみや中盤の展開など、新人とは思えぬ素晴らしい筆力だ。とりわけ人物に危機の迫るサスペンス・シーンが秀逸」
吉野仁(書評家)


臨床心理士の佐久間美帆は、勤務先の医療機関で藤木司という二十歳の青年を担当することになる。
司は、同じ福祉施設で暮らしていた少女の自殺を受け入れることができず、美帆に心を開こうとしなかった。
それでも根気強く向き合おうとする美帆に、司はある告白をする。

少女の死は他殺だと言うのだ。
その根拠は、彼が持っている特殊な能力によるらしい。美帆はその主張を信じることが出来なかったが、司の治療のためにも、調査をしてみようと決意する。
美帆は、かつての同級生で現在は警察官である栗原久志の協力をえて、福祉施設で何が起こっていたのかを探り始める。
しかし、調査が進むにつれ、おぞましい出来事が明らかになる。


高い情報量にも関わらずスピディーに読ませる力量に脱帽。読んでいて明確な情景をイメージ出来る為、物語に引き込まれてしまい読み出すと一気に読まされてしまう。
次作に期待させられる。また、映像化に適した作品でもある。
主人公が菅野美穂・救急士が中井貴一といったところが適役か?

内容に関しては・・・読んでのお楽しみ。間違いなく買いです。


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臨床真理 (このミス大賞受賞作)





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2009年02月10日

「濃密な読書時間」を楽しみたい人へ!おすすめサスペンス「ハルビン・カフェ」 打海 文三 (著)

2003年(第5回)大藪春彦賞 

福井県西端の新興港湾都市・海市。
大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯と化した。

相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生した。
警官の警官による警官のための自警団。
彼らは「P」と呼ばれた―。

第5回大薮春彦賞を受賞した、著者渾身の最高傑作。


このレベルのものを、同時代に同じ国の人が書いた文章で (つまり翻訳のバイアス無しで)読めるのは大変シアワセなことだと思いました。

とにかく、タイトルの持つ雰囲気と導入部に期待を膨らまして読み始めます。
場面転換が多く、説明が食い足りない分、読んでいて振り回される感じがします。

ちょっとイライラしたり、謎の主人公の男の正体が思ったより早く分かったり、少し不満にも思いましたが、語り口や雰囲気になじんでくるラストに到る頃には、そんなことはあまり気にならなくなっています。


文字がぴっちり詰まっていて、内容も複雑なので、「濃密な読書時間」という本読みの醍醐味を充分味わえます。


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ハルビン・カフェ (角川文庫)






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おすすめサスペンス「邪魔」奥田 英朗 (著)

2002年(第4回)大藪春彦賞 

この小さな幸せは、誰にも壊させない

2002年版「このミステリーがすごい!」第2位
文春 2001 傑作ミステリーベスト10で6位。

及川恭子、34歳。
サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売り住宅に住む。
スーパーのパート歴1年。
平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。

恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。
日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。

「最悪」と並ぶ、作者の代表作。

本作品には三人の主要人物が登場する。
妻を交通事故でなくしたトラウマから立ち直れないでいる警部補 九野
家族4人で平凡に暮らす主婦 恭子
将来に目標もなく、ワルにもなりきれない高校生 祐輔

一見関係ない彼らの人生が、小都市で起こった放火事件をきっかけに、交錯していくという、クライムノベル。
些細な事件を、一級のサスペンスに仕上げ、一気に読ませる筆力はすばらしいの一語に尽きる。

是非おすすめの一冊である。


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邪魔〈上〉 (講談社文庫)





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おすすめサスペンス「スリー・アゲーツ」五條 瑛 (著)

2001年(第3回)大藪春彦賞 

ソウルから日本へ、北朝鮮の大物工作員・チョンが潜入した。
大量の偽ドル札とともに。
果たして彼の任務とは何なのか?

米国防総省の在日情報機関に所属する分析官・葉山はチョンの残した文書の解読に成功するが、そこには意外な事実が隠されていた。
同じ頃、平壌から一組の母娘が中朝国境を目指していた―。

文庫版のための書き下ろし特別短編『The Game』を収録。

第3回大薮春彦賞受賞の傑作スパイ小説。


工作員はもう人間らしさをすべて捨ててしまっているのかと思っていた。
でもこの本に出てくるエージェントたちは皆とても人間臭い。

チョンも、スーパーKを持ち込み経済をかく乱させようとする行為など、一面は厭うべき工作員ではあるが、家族を愛し、自分の責務を全うしようとする、そんなところに悲しさを感じた。
チョンが決して祖国を嫌いではなく(むしろ好き)、工作員としての許されざる行為も全て家族への愛によるものだというところが涙をさそう。

作者の綿密な調査と知識、そして語り口によってぐんぐん惹きこまれてしまった。


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スリー・アゲーツ―三つの瑪瑙 (集英社文庫)





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